延喜式内社データベース

 本データベースは、『延喜式』神名式のうち、大和国の部にみえる神社とその比定社・祭神等について、式内社研究会編『式内社調査報告』第二巻・第三巻 大和国(皇學館大学出版部,1977年)をもとに集成したものです。
 『延喜式』は古代日本の法令である律令の施行細則を集大成したもので、延長5(927)年完成、康保4(967)年に施行されました。全50巻あり、巻九および巻十が神名式(後に神名帳とも)で、神祇官が管轄していた全国の神社が国郡別に記されました。これらの神社が式内社と呼ばれ、祈年祭には神前に幣帛が献げられ、社殿の管理や神職の選任には神祇官や国司の監督を受けました。
 しかし、奈良時代、基本的に京内に神社は置かれませんでした。朝廷は、都城をめぐり、どのような思想に基づいて神と関わっていたのでしょうか。後世、どのような理論に基づいて奉幣対象の神が増やされたのでしょうか。
 このような問題を明らかにする手がかりを得るためにデータベースを作成し、大和国一国を視野に地理的分布もふまえて考えられるように、WebGISデータベースとしました。式内社の分布に関しては多くの研究がありますが、それらも参照しながらご利用下されば幸いです。

 なお、本データベースは平成23年度~平成25年度科学研究費補助金(基盤研究B)「古代都城・都市をめぐる環境論」(研究代表者:舘野和己、課題番号:23320137)の成果の一部です。